うつとゆっくり戦うひとへ

うつ、統合失調症と10年以上戦っている私から、新たに戦いはじめたあなたへちいさなアドバイスを。

入院ってどんな感じ?

精神科の入院には二種類あります。

開放病棟閉鎖病棟

普通の人が想像する「鉄格子とかあるんでしょ?」とか「携帯取り上げられるんでしょ?」というのは閉鎖病棟のことですね。今時鉄格子がある部屋なんかありませんが。

 

開放病棟はいたって普通です。

携帯電話OK、売店に行くのもOK、食堂でみんなでごはん食べるし、談話室的なところもあります(使う人はほとんどいませんが)。私が入院したところは喫煙ブースもありました。

診療内容はカウンセリングと薬の調節、それから知能テストをやりましたね。

どうやら私は数字に記号やアルファベットが混在すると混乱するらしくて、「ああ、それで中学から数学の成績が落ちたのか」と納得できました。また、図形やグラフも苦手な脳みたいです。立体に至っては壊滅的な成績でした。

その分言葉に関しては知能の発達が一般よりいいそうです。記憶力も落ちてはいますが、それでも普通の人並みにはありました。

こういうテストの結果から、自分のコンプレックスや向いている職業を探す人も多いようです。

私の場合は体重を増やすのが目的だったので、一ヶ月だけの入院でした。長い人だと三ヶ月くらいでしょうか。

 

閉鎖病棟はまず持ち物検査から始まります。

携帯電話、コード類、鋏などの刃物、誤飲の可能性のある小さなもの、財布は持ち込みNG。煙草もナースステーション預かりになり、その場で火を点け外で吸うスタイルです。

鍵のかかった扉三枚のむこうが病棟でした。この鍵はナースさんしか開けられません。

最初に通されたのは6人部屋。これは開放病棟でも同じだったのですが、違うのは仕切りのカーテンがないこと。変な行動を取っていないか、患者同士で監視し合うのです。

なかには携帯ゲーム機を持ち込んでいる子もいましたね。あれはOKみたいです。

私はそこでひと暴れしてしまったので、「じゃあ個室に」と所謂「処置室」というところに入れられました。

ここが皆さんが想像する閉鎖病棟ですね。

私が入ったところは壁一面が強化ガラス。そのむこうにナースさんたちが行き来する廊下がありました。ほかの壁はなんだか暗い感じ。

ベッドがあって、机と椅子があって、仕切りのむこうにトイレ。

ドアにはしっかり鍵がかけられます。

発作などで暴れる患者さん、ほかの患者さんを傷つける可能性のある患者さんはここに入れられます。

まぁ、ここでも暴れました。

 

結局父との交渉で「次にリストカットやODをしたら問答無用でここに入れる」という約束を交わし、私はその日のうちにそこを出ました。耐えられませんでした。

 

閉鎖病棟に入ると、家族とも面会できません。そして最低でも三ヶ月は出てこれません。

入院費用は開放病棟は通常の入院と同じくらいなのに対して閉鎖病棟は一ヶ月100万円。高額医療控除を申請しないとあっという間に我が家は破産です。

 

閉鎖病棟には若い患者さんがたくさんいましたが、開放病棟にはお年を召した奥様方が多かった気がします。

 

ちなみに病院の売店に煙草が売っているわけもないので、私は週に一回父親に差し入れてもらっていました。

開放病棟は付き添いがいれば外出許可も降りることがあります。閉鎖病棟は出してもらえません。

 

それでも閉鎖病棟の人たちは平然としていました。

外の世界に未練がないのか執着がないのか、はたまた外には出たくないのか。

 

なかには処置入院というものがあります。

これは他人に危害を加えそうな患者さんやODで運ばれてきた人、リスカを常習的にやってしまう人をお医者さんが強制的に入院させてしまうことです。この場合は閉鎖病棟に入ることになります。

処置入院になると退院許可もなかなか降りません。

 

「精神科に入院」と一言で言ってもいろいろなパターンがあるのです。

世間は閉鎖病棟のイメージがまだ古いようで、「監獄なんでしょ?」と言われますけど・・・。まぁ、近いものはありますけど・・・。

どうか皆さんが、入院せずにすみますように。