自傷行為は自殺ではない?
自傷行為。その名のとおり、自分で自分に傷を付ける行為です。
ですがこれは必ずしも「死にたいから」やっているわけではない という傷病者の回答がほとんどです。
なぜやってしまうのか、これは医師にも判断しかねる難しい問題のようです。
死に至るほど深くもなく、かと言ってかすり傷ほど浅くもない傷をつけていきます。当然血も流れます。
ですが私の経験だと、痛みも感じないしその行動に「特別な意味はない」のです。
一度静脈が丸見えになるほど深くやってしまい、夏場だったこともあって縫ったほうがいいと言われましたが私は拒否しました。自分でつけた傷をお金をかけて塞ぐというのがバカバカしかったからです。
結局市販の化膿止めを塗ってガーゼで塞いでいれば治りました。痕は残りましたけど。
傷跡を消す薬もたくさん出ていますね。それらは使ったことはありません。おかげでリストカットをやめて10年以上経っても傷跡はばっちり残っています。
見える場所ならまだいいのです。
希に二の腕や内ももにも刃を入れてしまう人がいます。
こういう部位は人目につかないので、家族でも気づくのが遅くなります。
ほかにも、度を越した数のピアスホールを開けまくったりするのもファッションでなければ十分自傷行為ですね。
小さい子供だと、髪をハゲができるまで毟る、爪を噛みすぎて深爪になって、それでも噛んで血が出ても噛み続けたりすることもあります。
彼らはどうしてそういうことをやってしまうのか、自分でもよくわからないです。そして医師にもわからないのです。
ただ、死のうと思ってやっているわけではない。それだけは皆口を揃えて言います。
「かまって欲しいから」「自分に罰を与えたいから」「心の傷に気付いて欲しいから」
なかには「本当に自分に赤い血が流れているのか確認したかった」という例もあります。
本人は死ぬためにやっているわけではないのです。
ですがその傷跡は長く残ります。
なかには暑くても長袖を着て隠す人もいます。さぞ生き難だろうなと思います。
私は隠さないほうです。
やる場所はそれぞれ。自宅自室がほとんどでしょうが、授業中にやっている子を見たことがあります。もう癖になっていたのでしょう。
目に見えない自傷もあります。
私は幼稚園の頃から口の中を噛む癖があります。これも自傷のひとつです。が、外からは見えません。
家族がリストカットをしているのを見つけても
「どうしてこんなことをしたの?」
と問いかけないでください。
本人もなぜやってしまったのかわからなくて、でもやめられなくて苦しんでいるのです。
ただ「痛かったね」と抱きしめてあげるだでいいんです。
腕につけた傷の何倍もの傷を心に抱えている患者さんを、糾弾しないでください。
私もいまでも、どうしてリスカなんかやってしまったのかわからないです。