本当の友達、いますか?
うつ病になると、友人が減る。
「え、そんな甘えた病気になったの?」
「いつまで親のスネ齧ってるつもり?」
から始まって
「結婚するから。あんたとは違うのよ」
「子供生まれるとうつとか言ってられなよ~」
「仕事忙しくなっちゃってさ~。仕事してないやつにはわかんないだろうけど」
なんて言葉はよく言われる言葉だ。
いままで仲良くやっていた友人たちからこう言われたとき、あなたはまだこの人たちを「友達」と呼べるだろうか。
小学生時代からの親友が大阪の大学に進学して、そこで彼氏ができて、結婚した。
とてもおめでたいことなのに、親友なのに、私は式に主席できなかった。
悔しかった。
その年の年末年始で、彼女は旦那を連れて帰ってきて、私に旦那さんを紹介してくれた。
明るく気さくな大阪の男って感じで、話していて面白い。
でも驚くべきことを口にした。
「僕も統合失調症なんです」
驚いた。なににって、統合失調症患者と結婚した親友にだ。
彼女は家族みんな仲が良くて、わりと裕福な家庭に育った。大阪に進学するにはまず公立の高校に行くことを条件に出され、必死に勉強して見事勝ち取った。人見知りの緊張屋だけど、やるときはやる女。
そんな彼女を幸せにできる男なんていくらでもいるだろうに、どうして?
「ぼくがプロポーズしたら、こう返されたんです」
旦那さんは照れた顔をしていた
「しょうがないから、私が幸せにしてあげますって」
・・・・・・・男前過ぎるだろ親友よ・・・・・・。
旦那さんが私と同じ病気ということもあって、彼女とは今でも親友だ。年に数回しか連絡は取らないが、何年も会っていないが、それでも会えばすぐに昔のように戻れる数少ない親友。
うつ病、統合失調症になって、携帯電話からスマホになって、どんどんアドレス帳から名前を消した。
私がうつ病になった途端に態度を変えてきた人は、もう「友達」とは呼べないと思った。
友達には心配されたくない。
今までどおりでいい。
それだけを望んでいるのに、どうしてだかうまくいかない。
そのイライラを消すために、アドレスを消していった。
「いつまで甘えてるつもり?」
こう言い放ったのは、信じられないことに医療従事者の友人だった子だ。
彼女はまだ私の友達のつもりらしい。
でも、私は彼女の話に耳を傾けない。
偏見を持っている人へ。
それすら知らない世間知らずのおバカさんと私は友達でいるつもりはありません。
あなたがその言葉を「心配して言っている」つもりなら、すぐにやめてください。
根性とかやる気とかで治るものではないのです。ある日突然襲ってきて、治るかもわからない恐ろしい病気なのです。
手術すれば完治するものでもない。目に見える症状もない。
でもよく見て。
あなたが「心配しているつもり」のお友達は、今までどおりの明るい目をしていますか?
きっと、死んだ魚のように濁った目をしているはず。
まず、お友達の目を見てください。
そして信じてあげて。
きっといつかまた、一緒に笑える日が来ると。