その苦しみは、他人にはわからない
「どんな風に具合が悪いの?」
と訊かれて、すぐに答えられるでしょうか。
眠れない、食欲がない、不安でなにもできない、無性にイライラする、他人がこわい・・・・・・言いだしたらキリがないうつの症状。
低気圧と低温で具合の悪い人もいるでしょう。
頭が痛い、起き上がれない、脳が石になったみたいに重い・・・
いくら言葉にしても、それをリアルで感じていない人にはその苦しみはわかりません。
虫歯になったことがない人が虫歯の痛みを知らないのと同じ。
骨折したことがない人が、骨折の痛みを知らないのと同じ。
家族であっても、それはわかってもらえないことが多いです。
逆に「私のほうしんどいわよ!」なんて逆ギレする親もいることでしょう。うちの母親がそうでした。
周囲の人に苦しみを理解してもらうのではなく、
「今日は具合が悪いから寝かせてください」
と言うだけでいいんです。どう具合が悪いかなんて説明しなくていいんです。どうせ伝わりません。
うつ病は孤独な闘いです。自分の中のマイナスな感情との孤独な闘い。
でも、それはすべてがマイナスでしょうか?
「死にたい」とかはマイナスです。闘って勝ちましょう。
「私は○○ができないから・・・」
それはマイナスですか?
できなければできる人がやればいいんです。
「働きもしないで、寝てばっかりで家事もしない!」
そう言われたら
「病人なんだからこれが当たり前の姿でしょ?」
と返せばいいんです。
うつの人に休むな、というのはすでにパワハラです。
うつ病の人は趣味にのめり込む傾向があります。それで心の英気を養っているのに邪魔されるのは、インフルエンザで寝込んでいる人をベッドから追い出すようなことと同じです。
一日一時間でいいので、自分だけの時間を持ちましょう。
布団に入って苦しむのではなく、心の栄養を取り入れる時間、つまり趣味の時間を持ちましょう。
なんにもやる気になれなくても、もともと好きだったものならできるかも?という状態なら、是非やってみてください。
好きな音楽を聴くでもいいし、好きな映画を見るでもいい。ゲームは現実逃避感がひどいのであまりおすすめしませんが・・・。
すこし身体が動くなら、自分の部屋を掃除するでもいいし、外を散歩するでもいいです。
とにかく「自分だけの時間」は大切です。
そこで自分の心の整理をつけていくのです。
まだ自分のなかで整理できていないことを話すことはできません。
だから訊かれても答えに困ってしまうのです。
まずは自分の心の中身を知ること。そして整理すること。
そうすれば、「どうしんどいの?」と訊かれても答えられるようになりますよ。