うつとゆっくり戦うひとへ

うつ、統合失調症と10年以上戦っている私から、新たに戦いはじめたあなたへちいさなアドバイスを。

安心できてる?

「安心してたらうつ病なんかなってないわ!!」

 

ごもっとも。

そうではなく、普段の安心を確保できていますか?

 

私たちうつ病患者が毎日安心出来る場所。それはお布団のなか。

寝るときに緊張状態になると、あっという間に不眠の症状に悩まされます。

つまりほぼ毎日パジャマ姿。

そのパジャマ、本当に安心できますか?寝心地いいですか?

 

ただでさえお仕事できない家事できないなんにもできなくなってしまった私たち。普段から着ているパジャマがボロボロだったらもう最悪です。

本人が気にしなくても家族が気にします。

「そこまで身なりに気を使えなくなったの・・・?」

と家族の不安を煽ります。

看病するご家族だって不安なのです。

本当に治るの?社会復帰できるの?まだ若いのにこれから先大丈夫?

ご家族、特に親御さんの不安は尽きないでしょう。

そこボロボロのパジャマやTシャツ姿で現れたら、特にお母さんはさぞ不安になることでしょう。

 

本人にもよろしくないです。

こまめに洗濯しないパジャマや枕カバー、シーツは雑菌が繁殖し放題。お布団も干さないから同様ですね。

そんな中で安心して眠れますか?

「なんか臭い」

気になりだしたら止まらないのもうつ病の症状のひとつ。

夜中にどったんばったんしなくていいように、洗い替えは用意しましょう。

 

安心は自分で確保するのです!

 

すこし肌触りのいいパジャマや下着を用意して、こまめに洗濯。

清潔な姿をしているだけでちょっとだけ気分は上がります。

お値段は高くなくていいんです。いまは安くていいものがたくさんありますから。

 

できればお風呂にも入りましょう。そう、三日に一度でいいから・・・(自分にブーメラン)

 

今夜もよく眠れますように。

自分自身の好きなところありますか?

自分の性格、外見、思考、そういったところの「好きなところ」を自分でいくつ言えるでしょうか。

 

基本、うつ病になった人は

「あるわけないじゃんそんなの・・・嫌いなところならいっぱいあるけど」

って答えます。

 

じゃあ嫌いなところからなくそう!

 

「うんわかった。じゃあデブなのが嫌だからこのダイエットサプリ買うね」

そうじゃなくて・・・。

ということが起きる前に。

うつ病になると太ります。特に女性はこれすごく敏感で、なんとか元の体型に戻そうとします。

しかし動くに動けない。運動する気も起きないし、食べ物も我慢したくないから食べちゃうし、基本寝てるし・・・。

そういう理由で、「簡単に痩せられる!」とか「モデルの○○さんも愛用!」ってサプリとかドリンクをネットで買ってしまうことがしばしばあります。

当然効果は得られず、高いお金を払うだけで終わってしまいます。

そしてまたうつになるのです。「これ使っても痩せられなかった・・・もうダメだ・・・」

 

モデルさんはあくまで広告塔です。そのダイエットサプリのお仕事も「痩せてるから」できているお仕事であって、そのサプリで「痩せたから」お仕事がもらえたわけではないのです。あくまでモデルさんはモデルさんです。

彼女たちは専門のトレーナーをつけてジムでトレーニングしたり、食事制限したり、痩せて見える角度を研究しています。

その結果として「みんなの憧れ体型」を持ち、だからこそ「憧れの対象」としてダイエット食品の広告のお仕事ができているわけです。

 

なにもしないで痩せたら、それはもう死を覚悟するような病気です。病院行ってください。

 

そしてダイエット食品の怖いところは、「初回は安いけど二回目からは高価!」そして「最低半年は送られてくる!」ということ。

画面上のどこかにちいさく書かれているはずなのですが、モデルさんの憧れボディを前にしたらそんなの見えませんよね。

 

痩せたいなら、一箇所から始めましょう。

足なら足だけ。ウェストならウェストだけに的を絞ってダイエットをするのです。基本は運動ですが、簡単なダイエット運動の動画がYouTubeなどには大量に投稿されています。

特に「寝ながら出来る運動」というのが最高です。ベッドから降りなくていいから。疲れたらそのまま寝れるから。

 

外に出て運動できないのであれば、家の中でやればいい。ベッドから降りるのが苦痛なら、ベッドの上でやればいいのです。

 

「これを15回一日3セット!」って言われたら、最初は「15回を1セット」だけでOK。徐々に増やせばいいんです。だって急ぐ必要はないでしょ?

これから夏に向けて、世の女性たちは薄着シーズン対策でダイエットのためにジムに通ったりランニングしたり食事制限したりするんでしょうけど、私たち、外に出ないし。

 

ただ一箇所「嫌いなところ」をなくして「好きなところ」にするだけで気分は変わるのです。それが自分の力だけで成し遂げたことなら尚更です。

みんなと同じような過酷なダイエットはできなくても、自宅にいるからこそ出来るダイエットをすればいいのです。お金をかける必要はありません。

 

筋肉は使わないとすぐ弱って、そこに脂肪がついてしまいます。

なので体調がいい時だけでいいから、自分の身体の筋肉を呼び起こす必要があります。それをダイエットにすればいいんです。

 

そうやって自分に自信が持てるとこを増やして行くと、「自分の好きなところ」が増えます。

それがうつ病脱却への一歩です。

もっともっと、自分を認めてあげて。褒めてあげて。

あなたはダメなひとなんかじゃないよ!

障害者手帳ってどんなの?

知的、身体障碍者が交付されるのは赤いカバーの障碍者手帳ですが、精神だとちょっと違います。

正式名称を「精神障碍福祉手帳」と言いまして、カバーの色も自治体によって違います。私のは青です。

 

うつ病だと3級、統合失調症で2級が基本。1級の人は私もまだお会いしたことがありません。

赤いカバーの障碍者手帳は税金の控除やNHKの受信料控除、その他いろいろとやさしい部分がありますが、精神の場合はあまりやさしくありません。

 

私の場合片目がほぼ見えず視野も狭いことから運転免許証が取れないこともあって、身分証明書代わりとして取得しました。

統合失調症なので2級です。

証明写真や登録番号などが書かれている一枚目、めくると失効日が書かれただけのぺらぺらの手帳です。

 

これで受けられる支援は、自治体によって変わります。

政令指定都市なら手厚いのですが、私のように田舎在住だとせいぜい

映画館がいつ行っても1000円、とか。

タクシーも料金1割引になりますが、番号を控えられたりして面倒くさいのでよほど長距離にならない限り提示しません。

政令指定都市だとバス料金の割引などもあるようですね。

一番使いやすいところでは、携帯電話の料金が一部安くなるところでしょうか。

私はドコモユーザーなのですが、三大携帯会社はどこでもそういうサービスがあります。ドコモなら通話基本料金が半額になります。私の場合かけホーダイプラン2700円が1400円になっています。

それだけです!!!!

しかも携帯会社の窓口の方がこの手帳を知らないと、電話で上の方に問い合わせるという面倒くさい事態になったりします(一回ありました)

まぁ普通に健康に暮らしていればお目にかかることはめったにない代物ですね。

 

精神障碍福祉手帳1級は知的、身体の方と同じ扱いとなります。

タクシーチケットの交付など手厚いサポートが受けられます。

どこがどうなったら1級になるのかは私はわかりません・・・。

 

取得方法は、主治医に「障碍者手帳を取りたいので診断書をお願いします」で通じます。そしてその診断書を持って役所の福祉課で申請書を書いて提出します。

その後県内の偉い精神科のお医者さんたちが審査し、等級が決定。役所から通知が来たら証明写真などを持って行き、発行してもらうことになります。

大体二ヶ月くらい審査に時間がかかります。

更新する場合は、その二ヶ月を計算に入れて先に診断書をお願いして、更新手続きをしなければなりません。「更新近づいてますよ」という通知などは、自立支援手帳同様ありません。

 

特に役に立つわけではない手帳です。身分証として取りましたが、精神の場合は身分証としても弱く、一緒に保険証等の証明書も出さなければならない場合もあります。

ですが万が一、今後障碍者年金などを申請しようと思っているなら持っていたほうがいいものです。

 

社会的弱者になってしまった私たち。

使えるものはなんでも使わないと生きていけません。

障碍者手帳取得後どんな福祉が受けられるかは、お住まいの地域の役所のHPなどで調べてみてくださいね。

 

 

 

 

解離ってなに?

かいり。

解離性同一性障害という精神病もありますが、それとは別で。

うつ病の発作のようなものの一種です。

 

基本的に夜になるひとが多いです。

睡眠薬の効果で脳は寝てるのに身体は起きてる。だから解離がおきたこと、解離中やったことなどを本人は覚えていないことがほとんどです。

身体が起きているので暴れることが多いです。ストレスを溜め込んで、それを押さえ込む理性(脳)が寝ているのでストレスを発散する、または排除しようとするひとがいます。

夜中に暴れるだけでもアレですけど、中には刃物を振り回したり、破壊行動を起こす人がいます。

こうなった場合は大抵ODしています。

速やかに救急車を呼んで、そのまま処置入院とするのが普通です。(深刻な場合は警察も来ます)

 

私も一回やらかして、親父の肋骨を蹴りで折ったそうです。記憶にございません。

友人は包丁を振り回して警察も救急車も来る大騒ぎになって処置入院になったそうです。

なにをするかわからない解離行動。

 

回避するには、「処方された薬を処方通りに飲んですぐに寝る」が一番です。

そして普段から、ちょっとずつストレスを発散しましょう。言いたいことも我慢しないで。

普段の不満を解離で発散してしまうのだから、日頃から不満を少なくしてくことが大切ですよ。

うつ病って治るの?

基本的に、うつ病は「完治」しません。

入院しても自宅療養しても、「完治」とは言いません。

 

薬を飲んでいれば、または飲まなくても社会的生活がおくれる状態を「寛解」といいます。

自伝本や自己啓発本で「うつはこうして治した」とか出している人はこの寛解状態になるわけで、私たちはこの寛解を目指しているのです。

 

どうして「完治」とは言わないか。

うつ病はいまだ実態がきちんと解明されていない部分が多い病気です。

そして前述しましたが「心の癌」とも言えるのです。

癌って原理とかは解明されれるのに予防もできないし再発もしますよね?

そういう場合は「完治」とは言えないのです。

 

うーん、厄介な病気です。

薬をやめたら治った なんて言う人までいますからねぇ・・・。

 

焦らないで。ゆっくりと。

うつも自分の一部だと受け入れることが大切なのです。たぶん。

入院ってどんな感じ?

精神科の入院には二種類あります。

開放病棟閉鎖病棟

普通の人が想像する「鉄格子とかあるんでしょ?」とか「携帯取り上げられるんでしょ?」というのは閉鎖病棟のことですね。今時鉄格子がある部屋なんかありませんが。

 

開放病棟はいたって普通です。

携帯電話OK、売店に行くのもOK、食堂でみんなでごはん食べるし、談話室的なところもあります(使う人はほとんどいませんが)。私が入院したところは喫煙ブースもありました。

診療内容はカウンセリングと薬の調節、それから知能テストをやりましたね。

どうやら私は数字に記号やアルファベットが混在すると混乱するらしくて、「ああ、それで中学から数学の成績が落ちたのか」と納得できました。また、図形やグラフも苦手な脳みたいです。立体に至っては壊滅的な成績でした。

その分言葉に関しては知能の発達が一般よりいいそうです。記憶力も落ちてはいますが、それでも普通の人並みにはありました。

こういうテストの結果から、自分のコンプレックスや向いている職業を探す人も多いようです。

私の場合は体重を増やすのが目的だったので、一ヶ月だけの入院でした。長い人だと三ヶ月くらいでしょうか。

 

閉鎖病棟はまず持ち物検査から始まります。

携帯電話、コード類、鋏などの刃物、誤飲の可能性のある小さなもの、財布は持ち込みNG。煙草もナースステーション預かりになり、その場で火を点け外で吸うスタイルです。

鍵のかかった扉三枚のむこうが病棟でした。この鍵はナースさんしか開けられません。

最初に通されたのは6人部屋。これは開放病棟でも同じだったのですが、違うのは仕切りのカーテンがないこと。変な行動を取っていないか、患者同士で監視し合うのです。

なかには携帯ゲーム機を持ち込んでいる子もいましたね。あれはOKみたいです。

私はそこでひと暴れしてしまったので、「じゃあ個室に」と所謂「処置室」というところに入れられました。

ここが皆さんが想像する閉鎖病棟ですね。

私が入ったところは壁一面が強化ガラス。そのむこうにナースさんたちが行き来する廊下がありました。ほかの壁はなんだか暗い感じ。

ベッドがあって、机と椅子があって、仕切りのむこうにトイレ。

ドアにはしっかり鍵がかけられます。

発作などで暴れる患者さん、ほかの患者さんを傷つける可能性のある患者さんはここに入れられます。

まぁ、ここでも暴れました。

 

結局父との交渉で「次にリストカットやODをしたら問答無用でここに入れる」という約束を交わし、私はその日のうちにそこを出ました。耐えられませんでした。

 

閉鎖病棟に入ると、家族とも面会できません。そして最低でも三ヶ月は出てこれません。

入院費用は開放病棟は通常の入院と同じくらいなのに対して閉鎖病棟は一ヶ月100万円。高額医療控除を申請しないとあっという間に我が家は破産です。

 

閉鎖病棟には若い患者さんがたくさんいましたが、開放病棟にはお年を召した奥様方が多かった気がします。

 

ちなみに病院の売店に煙草が売っているわけもないので、私は週に一回父親に差し入れてもらっていました。

開放病棟は付き添いがいれば外出許可も降りることがあります。閉鎖病棟は出してもらえません。

 

それでも閉鎖病棟の人たちは平然としていました。

外の世界に未練がないのか執着がないのか、はたまた外には出たくないのか。

 

なかには処置入院というものがあります。

これは他人に危害を加えそうな患者さんやODで運ばれてきた人、リスカを常習的にやってしまう人をお医者さんが強制的に入院させてしまうことです。この場合は閉鎖病棟に入ることになります。

処置入院になると退院許可もなかなか降りません。

 

「精神科に入院」と一言で言ってもいろいろなパターンがあるのです。

世間は閉鎖病棟のイメージがまだ古いようで、「監獄なんでしょ?」と言われますけど・・・。まぁ、近いものはありますけど・・・。

どうか皆さんが、入院せずにすみますように。

うつ病は夜行性になりやすい?

うつ病の人は夜になると思考がはっきりしてくることが多いようです。

日中はやたら眠かったりうつの症状がひどくて苦しんでいるのに、家族が寝静まる時間になると思考にかかっていた霧が晴れるようにシャッキリとする。

 

ので、日中できないことをします。

ゲームだったり本を読んだりネットをしたり症状の軽い人はネットで出来るお仕事したり。

気が付けばもう明け方!?いかん、薬飲んで寝よう。

そんな時間に寝れば当然朝起きられるわけも無く、昼頃起きても思考はぼんやり。なんだ、昨夜のあのシャッキリ感は一過性か・・・

と思ったら今夜もシャッキリした。よし。

 

よしじゃねーよ。

こうやって夜行性になっていくわけですが、当然体力筋力諸々落ちますし、日中の症状は重くなるばかりです。

「だって夜だと意識がしっかりするから!」

っていうのはわかるんだけどね。寝てくれ。頼むから寝てくれ。

昼夜逆転生活を長くやると、もとに戻すのも一苦労なのです。

通院の日なんか「まだ寝ていたいのに・・・」って状態で行くので病状説明とかうまくできないですよね。

 

また、うつ病になると風呂に入るのが面倒くさくなります。

これは私もいまだに引きずっている症状なのですが、ひどいときは5日くらい風呂に入らなくて親に叱られて入りシャンプーがあまりにも泡立たないことにびっくりしました。

洗顔もサボっていたので肌状態はボロボロ。髪も痛みまくり。乾燥肌は極まってて、あちこち引っかき傷ができていました。

それでも歯磨きだけはしてたけどな・・・。

お風呂は体力を使いますから、わざわざ疲れることをしたくないというのが私の考えなのですが、そのせいか風呂に入った日は良く眠れます。

 

「外に出ないからべつにいいじゃん」ではなく!

自分の体を省みてください。

爪は伸びっぱなしになっていませんか?肌の状態は?髪に艶は?男性だったら、最後に髭剃ったのいつか思い出せる?

 

不衛生な状態はうつ状態をさらに悪化させます。

まず一日一時間は窓を開けて換気しましょう。

晴れてたら布団を干して、シーツは枕カバーは洗濯。

顔を洗って、顔色や目がしっかりしているかを確認。

外に行かないからって一日中パジャマやスウェットを着てないで、ちゃんと着替えて。

すこしでも「普通のひとがやっていること」をサボらないこと。

それがうつ病からの脱却の近道だと思いますよ。

 

だからはやく寝て!!